ハイルーフ、低床で広い室内、安全面も追及
団体から個人へ、旅行形態の変化が叫ばれて久しい。大型バスが数珠つなぎの団体旅行も決して皆無ではないが、バブル華やかなりし頃とはその数は雲泥の差だ。個人旅行の足といえばマイカーと鉄道などの公共交通機関に大別されるが、後者を利用する顧客にとって頼りになるのは宿の送迎バス。宿にとっては初めてのおもてなしがバスによるお出迎えになるから、少しでもその印象をよくしておきたいものだ。日産自動車の「NV350キャラバン」は広い車内が特長で、顧客に快適に乗ってもらえるほか、運転席から車両の周囲の安全確認ができる死角サポートモニターを装備し、安全面も深く追求している。
キャラバンは2017年7月にマイナーチェンジされ、レジャーや趣味を楽しむ個人、さまざまな業種の企業・法人など、幅広く利用されている。広く使い勝手の良い室内空間や、安全性、存在感がある外装デザインなどが受けているようだ。
業界トップクラスの広い室内が特徴で、ハイルーフ、低床で、乗客がゆとりをもって快適に乗車できる。
安全面も深く追求。運転席から直接確認しにくい左前方や後方を映す「インテリジェントアラウンドビューモニター」を搭載。また、滑りやすい路面や障害物の緊急回避などのハンドル操作で車両が横滑りしそうになると、自動的にブレーキとエンジン出力を制御する「VDC(ビークルダイナミクスコントロール)」を搭載している。
さらに、深夜・早朝などで大きな音を立てずにバックドアを全閉できる「バックドアオートクロージャー」や、視認性に優れた液晶モニターと大きなスイッチにより操作性を向上させた「オートエアコン+リヤクーラー」も装備している。
バン、ワゴン、マイクロバスと、用途によりさまざまなタイプを用意しており、旅館・ホテルの送迎用としては、14人乗りのマイクロバスや10人乗りのワゴンが人気だ。
群馬県水上温泉の「源泉湯の宿 松乃井」は、キャラバンのユーザー旅館の一つ。日常の送迎で利用し、ドライバーから使い勝手がいいと評判。送迎を利用する宿泊客からも高い評価を得ている。同館の事例を紹介する。